アレルギー性鼻炎・花粉症

アレルギー性鼻炎とは

アレルギー性鼻炎とは、花粉、ダニ、ハウスダスト、動物のフケ、カビなどのアレルゲンに対して、鼻の粘膜でアレルギー反応が起こる病気です。

主な症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりです。
目のかゆみ、のどの違和感、咳、頭痛、集中力の低下、睡眠の質の低下を伴うこともあります。
アレルギー性鼻炎には、花粉が飛ぶ時期に症状が出る「季節性アレルギー性鼻炎」と、一年を通して症状が続く「通年性アレルギー性鼻炎」があります。
季節性アレルギー性鼻炎は、一般的に「花粉症」と呼ばれます。
このような症状はありませんか?

  • 鼻づまりがひどく、夜中に目が覚める
  • 鼻水やくしゃみが止まらない
  • 鼻づまりや頭痛で仕事や勉強に集中できない
  • 目のかゆみや充血がある
  • のどがかゆい、咳が出る
  • 春や秋など、決まった季節に症状が悪くなる
  • 猫や犬のいる場所に行くと、くしゃみや鼻水が出る
  • 市販薬や点鼻薬を使ってもすっきりしない
アレルギー性鼻炎は、命に関わる病気ではないと思われがちですが、症状が強いと睡眠、集中力、仕事、勉強、日常生活に大きく影響します。特に鼻づまりが強い方では、夜間の睡眠が浅くなり、日中のだるさや集中力低下につながることがあります。

北海道の花粉症について

日本ではスギ花粉症がよく知られていますが、北海道では本州と花粉の状況が少し異なります。
北海道で重要な花粉症の原因は、シラカバやハンノキなどのカバノキ科の花粉です。
春先から初夏にかけて、鼻水、くしゃみ、鼻づまり、目のかゆみなどの症状が出る方では、シラカバやハンノキの花粉症が関係していることがあります。
一方で、北海道ではスギ花粉がまったくないわけではありません。
函館など道南の一部ではスギがみられ、札幌市内でも一部の地域ではスギ花粉の影響を受けることがあります。
そのため、北海道にお住まいの方でも、症状の時期によってはスギ花粉症を考える必要があります。
また、夏から秋にかけてはイネ科、ヨモギ、ブタクサなどの花粉が原因になることもあります。
「春だけつらい」「夏も鼻水が出る」「秋になると悪化する」など、症状の時期を確認することが診断の手がかりになります。

通年性アレルギー性鼻炎

一年中、鼻水、くしゃみ、鼻づまりが続く場合は、通年性アレルギー性鼻炎の可能性があります。
主な原因は、ダニ、ハウスダスト、カビ、犬や猫などの動物のフケです。
また、蛾やゴキブリなどの昆虫アレルゲンが関係することもあります。
通年性アレルギー性鼻炎では、症状が長く続くため、「いつも鼻がつまっている」「朝にくしゃみが多い」「薬をやめるとすぐ悪くなる」といった状態になりやすいです。

アレルギー性鼻炎の検査と診断

アレルギー性鼻炎の診断では、症状の内容、症状が出る時期、鼻の中の状態、原因となるアレルゲンを確認します。

問診

まず、どのような症状があるかを詳しく伺います。

くしゃみ、鼻水、鼻づまりの程度、症状が出る季節、生活への影響、薬の効果、眠気などの副作用、持病の有無などを確認します。

症状の時期はとても重要です。

春に悪い場合はシラカバ、ハンノキ、スギなど、夏から秋に悪い場合はイネ科、ヨモギ、ブタクサなどを考えます。

一年中症状がある場合は、ダニ、ハウスダスト、カビ、動物アレルギーなどを疑います。

鼻内視鏡検査

細い内視鏡を使って、鼻の中を観察します。

鼻の粘膜の腫れ、鼻水の性状、鼻中隔の曲がり、下鼻甲介の腫れ、鼻茸の有無などを確認します。

長引く花粉症だと思っていた方でも、実際には慢性副鼻腔炎や鼻茸が見つかることがあります。

副鼻腔CT検査

鼻づまりが強い場合、鼻中隔弯曲症、下鼻甲介の肥厚、副鼻腔炎、鼻茸などが隠れていることがあります。

CT検査では、内視鏡では見えにくい副鼻腔の状態を詳しく確認できます。

薬で改善しにくい鼻づまりがある方や、手術を検討する場合には重要な検査です。

血液検査

血液検査では、特異的IgE抗体を調べることで、どのアレルゲンに反応しているかを確認します。

検査項目には、スギ、シラカバ、ハンノキ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギ、ダニ、ハウスダスト、犬、猫、カビ、蛾、ゴキブリなどがあります。

症状の時期や生活環境に合わせて、必要な項目を選んで検査します。

鼻汁好酸球検査

鼻水の中に好酸球という細胞が増えているかを調べる検査です。

アレルギー性鼻炎の診断の参考になります。

嗅覚検査

アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎では、においが分かりにくくなることがあります。

嗅覚低下がある場合には、嗅覚検査を行い、においの状態を確認します。

鼻腔通気検査

鼻づまりの程度を客観的に評価する検査です。

左右それぞれの鼻の空気の通りにくさを測定します。

下気道の検査

アレルギー性鼻炎は、喘息と関係が深い病気です。

咳が続く、息苦しい、喘息を指摘されたことがある方では、呼吸機能検査や呼気NO検査などで下気道の状態を確認することがあります。

アレルギー性鼻炎の治療

アレルギー性鼻炎の治療は、症状の強さ、原因となるアレルゲン、生活への影響、鼻の構造によって選択します。

抗原の回避と環境整備

抗原の回避と環境整備

アレルギーの原因となるものを完全になくすことは難しいですが、接触を減らすことは大切です。

ダニやハウスダストが原因の場合は、寝具の洗濯、掃除、換気、湿度管理が重要です。

花粉症の場合は、花粉が多い時期にマスクや眼鏡を使用し、帰宅後は衣類についた花粉を落とすことが有効です。

北海道では、春のシラカバ・ハンノキ花粉、道南や札幌の一部ではスギ花粉、夏から秋のイネ科・ヨモギ・ブタクサ花粉にも注意が必要です。

薬物療法

アレルギー性鼻炎の基本となる治療です。

主に、抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬、鼻噴霧用ステロイド薬などを使用します。

抗ヒスタミン薬は、くしゃみや鼻水を抑える薬です。

現在は、眠気や口の渇きが少ない第二世代抗ヒスタミン薬がよく使われます。

鼻噴霧用ステロイド薬は、鼻の粘膜の炎症を抑える薬です。

鼻づまり、鼻水、くしゃみのいずれにも効果が期待できます。全身への影響が少なく、継続して使いやすい薬です。

花粉症では、症状が強くなってから薬を始めるよりも、花粉が飛び始める前、または症状が出始めた早い段階から治療を始めることで、重症化を防ぎやすくなります。

舌下免疫療法

舌下免疫療法は、アレルゲンを少量ずつ体に取り入れ、体を慣らしていく治療です。

スギ花粉症、ダニアレルギー性鼻炎が対象になります。

薬物療法で効果が不十分な方、薬の量を減らしたい方に選択肢となります。

効果を得るためには、3年以上の継続が必要です。

北海道ではシラカバ花粉症が多いですが、現時点で一般的に行われている舌下免疫療法はスギとダニが対象です。

シラカバやハンノキに対する舌下免疫療法は、通常診療では行われていません。

生物学的製剤

重症のスギ花粉症では、抗IgE抗体であるオマリズマブという注射薬が選択肢になることがあります。

抗ヒスタミン薬や鼻噴霧用ステロイド薬を使用しても症状が強い方が対象になります。

治療には条件があり、血液検査で総IgE値を確認し、体重などに応じて投与量を決定します。

手術療法

薬物療法を行っても鼻づまりが改善しない場合や、薬の副作用で治療を続けにくい場合には、手術を検討します。

アレルギー性鼻炎の手術では、主に鼻中隔矯正術、下鼻甲介手術、後鼻神経切断術を行います。

鼻中隔が大きく曲がっている場合には、鼻中隔矯正術で空気の通り道を整えます。

下鼻甲介が大きく腫れている場合には、下鼻甲介手術で粘膜の機能を残しながら大きさを調整します。

鼻水やくしゃみが強い場合には、後鼻神経切断術を行うことで症状の軽減を目指します。

手術はアレルギー体質そのものをなくす治療ではありません。

しかし、鼻づまり、鼻水、くしゃみを軽くし、薬を減らせる可能性があります。

詳しくは重症アレルギー性鼻炎に対する手術治療をご参照ください。

アレルギー性鼻炎・花粉症でお困りの方へ
アレルギー性鼻炎は、ありふれた病気ですが、症状が強いと生活の質を大きく下げます。 特に、鼻づまりで眠れない、仕事や勉強に集中できない、薬を飲んでも改善しない、市販の点鼻薬が手放せないという方は、原因を詳しく調べることが大切です。 当院では、問診、内視鏡検査、血液検査、CT検査などを組み合わせて、鼻炎の原因と鼻の構造を確認します。 薬物療法、鼻洗浄、舌下免疫療法、生物学的製剤、手術療法まで、症状や生活に合わせた治療をご提案します。