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耳鼻咽喉科
鼻と副鼻腔のクリニック 札幌
北海道札幌市東区北6条東3丁目1番地1
ダ・ヴィンチモール 3階
TEL:
011-214-0850

症状について

鼻づまり

鼻づまり(鼻閉)に対する治療

鼻づまりをなんとかしたい

鼻づまりは、単なる不快な症状ではありません。

鼻で呼吸しづらい状態が続くと、睡眠の質が低下したり、集中力が落ちたり、日中のだるさや頭重感につながることがあります。口呼吸が増えることで、のどの乾燥やいびきの原因になることもあります。

鼻づまりの原因は一つではなく、鼻中隔弯曲症、アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎、薬剤性鼻炎など、さまざまな病気が関係します。

当院では、内視鏡検査やCT検査などで鼻づまりの原因を確認し、薬による治療から日帰り手術まで、患者さんの状態に合わせた治療を提案しています。

鼻づまりを引き起こす代表的な病気

代表的な症状

症状だけでは診断できませんが、症状から推測される病気です。

鼻中隔弯曲症

鼻の中は、鼻中隔という仕切りによって左右に分かれています。

この鼻中隔が左右どちらかに強く曲がっていたり、S字状に曲がっていたりすると、空気の通り道が狭くなり、鼻づまりの原因になります。

片側だけがいつもつまる方、左右差のある鼻づまりがある方、薬を使っても鼻づまりが改善しにくい方では、鼻中隔弯曲症が関係していることがあります。

アレルギー性鼻炎

花粉、ダニ、ハウスダストなどに対するアレルギー反応によって、鼻の粘膜に炎症が起こる病気です。

くしゃみ、鼻水、鼻づまりが代表的な症状ですが、特に下鼻甲介という粘膜のヒダが大きく腫れると、強い鼻づまりを感じるようになります。

薬で症状を抑えられることも多い一方で、長年薬を使っても鼻づまりが残る場合や、薬をやめるとすぐにつまる場合には、手術治療を検討することがあります。

慢性副鼻腔炎

副鼻腔に長期間炎症が続く病気です。

鼻水、後鼻漏、頭重感、嗅覚障害などの症状に加えて、鼻茸と呼ばれるポリープができると、鼻の空気の通り道がふさがれ、強い鼻づまりを起こします。特に喘息をお持ちの方では、好酸球性副鼻腔炎というタイプの副鼻腔炎が関係していることがあります。

薬剤性鼻炎

市販の点鼻薬の中には、血管収縮薬が含まれているものがあります。

これらは一時的に鼻づまりを改善しますが、長期間にわたって頻回に使用すると、効果が切れた後に粘膜がさらに腫れる「リバウンド」が起こり、かえって鼻づまりが悪化することがあります。点鼻薬を使わないと鼻が通らない状態になっている場合は、薬剤性鼻炎の可能性があります。まずは点鼻薬の使い方を見直すことが重要ですが、下鼻甲介の腫れが強く残る場合には、手術を検討することもあります。

鼻・副鼻腔腫瘍

頻度は高くありませんが、鼻や副鼻腔に腫瘍ができることで鼻づまりが起こることもあります。特に片側だけの鼻づまりが続く場合、鼻血を伴う場合、ポリープと言われているものが片側だけにある場合などは、内視鏡検査やCT、必要に応じてMRIなどで詳しく調べることが大切です。

鼻づまりの原因チェック

鼻づまりの原因は一つではありません
鼻づまりは、アレルギー性鼻炎だけでなく、鼻中隔弯曲症、慢性副鼻腔炎、好酸球性副鼻腔炎、薬剤性鼻炎、鼻茸など、さまざまな病気で起こります。症状の出方によって、原因をある程度予想できることがあります。

片側だけ鼻がつまる

片側だけの鼻づまりが続く場合は、鼻中隔弯曲症、鼻茸、慢性副鼻腔炎、まれに腫瘍などが関係していることがあります。特に、片側だけの鼻づまりが長く続く場合や、鼻血を伴う場合は、内視鏡検査やCT検査で確認することが大切です。

夜になると鼻がつまる

横になると鼻の粘膜が腫れやすくなり、鼻づまりが強くなることがあります。

アレルギー性鼻炎、肥厚性鼻炎、鼻中隔弯曲症などが関係している場合があります。

夜間の鼻づまりは、睡眠の質を下げ、日中の眠気や集中力低下につながることがあります。

朝にくしゃみ・鼻水が多い

朝にくしゃみや鼻水が多い場合は、ダニ、ハウスダスト、寝具のほこりなどによる通年性アレルギー性鼻炎が関係していることがあります。寝室環境の見直しや薬物治療で改善する場合があります。

花粉の時期だけ悪化する

春や秋など、決まった季節に症状が悪化する場合は、花粉症の可能性があります。

北海道では、シラカバやハンノキ、イネ科、ヨモギ、ブタクサなどが原因になることがあります。道南や札幌の一部では、スギ花粉の影響を受けることもあります。

一年中鼻がつまる

一年中鼻づまりが続く場合は、通年性アレルギー性鼻炎、鼻中隔弯曲症、下鼻甲介の肥厚、慢性副鼻腔炎などが考えられます。薬だけで改善しにくい場合は、鼻の構造や副鼻腔の状態を確認することが重要です。

市販の点鼻薬が手放せない

血管収縮薬を含む市販の点鼻薬を長期間使用すると、かえって鼻づまりが悪化することがあります。これを薬剤性鼻炎といいます。

点鼻薬を使わないと鼻が通らない状態になっている場合は、治療の見直しが必要です。

においが分かりにくい

においが分かりにくい場合は、慢性副鼻腔炎や好酸球性副鼻腔炎が関係していることがあります。特に鼻茸がある方、喘息がある方では注意が必要です。嗅覚障害は、早めに原因を調べることが大切です。

鼻水がのどに流れる

鼻水がのどに流れる症状を後鼻漏といいます。

慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、好酸球性副鼻腔炎などで起こります。

後鼻漏は、咳、痰、のどの違和感の原因になることもあります。

鼻づまりに対する治療

鼻づまりの治療は、原因によって異なります。

アレルギー性鼻炎による鼻づまりでは、抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬、鼻噴霧用ステロイド、鼻洗浄などを組み合わせて治療します。

慢性副鼻腔炎では、鼻洗浄、内服薬、点鼻薬などによって炎症を抑える治療を行います。

当院では、鼻洗浄を積極的におすすめしています。鼻の中を清潔に保ち、粘膜の状態を整えることで、薬の効果を高めたり、症状を安定させたりすることが期待できます。

一方で、次のような場合には手術治療を検討します。

  • 鼻中隔の曲がりが強く、空気の通り道が狭い場合
  • 薬を続けても鼻づまりが十分に改善しない場合
  • 薬をやめるとすぐに鼻づまりが戻る場合
  • 下鼻甲介の腫れが強く、慢性的に鼻の通りが悪い場合
  • 鼻茸や副鼻腔炎により鼻の中がふさがっている場合
  • 市販の点鼻薬をやめられない状態になっている場合

年齢や持病、全身状態によっては、薬による治療を続ける方が安全な場合もあります。

そのため、当院では検査結果と患者さんの生活状況をふまえて、薬物治療と手術治療のどちらが適しているかを相談しながら決めていきます。

鼻づまりに対する主な手術

鼻中隔矯正術

鼻中隔弯曲症に対する手術です。

内視鏡を用いて鼻の中から操作を行い、曲がっている軟骨や骨の一部を整えることで、鼻の空気の通り道を広げます。

鼻中隔の曲がりが強い方では、鼻づまり改善のために重要な手術となります。

外から見える部分に傷はつきません。

下鼻甲介手術

アレルギー性鼻炎や肥厚性鼻炎、薬剤性鼻炎などで下鼻甲介が大きく腫れている場合に行う手術です。

下鼻甲介は、鼻の中で空気を加湿・加温する大切な粘膜です。

そのため、単純に大きく切除するのではなく、できるだけ粘膜の表面を温存しながら、粘膜の下の組織や骨の厚みを減らす方法を選択します。

鼻の乾燥感や違和感をできるだけ少なくしながら、鼻づまりの改善を目指します。

後鼻神経切断術

アレルギー性鼻炎による鼻水、くしゃみ、鼻づまりが強い方に行う手術です。

鼻の奥にある後鼻神経という神経を処理することで、過剰な鼻水やくしゃみ、鼻の過敏な反応を抑えることを目的とします。

後鼻神経は、においを感じる神経とは異なるため、この手術によって嗅覚が失われるわけではありません。

内視鏡下副鼻腔手術

慢性副鼻腔炎や好酸球性副鼻腔炎によって鼻茸ができている場合、副鼻腔の出口がふさがっている場合に行う手術です。

内視鏡を用いて鼻の中から操作を行い、炎症で狭くなった副鼻腔の通り道を広げます。

副鼻腔の換気を改善し、鼻づまり、鼻水、後鼻漏、嗅覚障害などの改善を目指します。

当院での手術について

当院では、鼻づまりに対する日帰り手術を行っています。
手術は鼻の中から内視鏡を用いて行うため、顔に傷が残ることはありません。
手術中の不安や痛みをできるだけ軽減できるように、患者さんの状態に応じて麻酔方法を選択します。
また、内視鏡システムを用いて、鼻の奥の細かい構造を確認しながら手術を行います。
日帰り手術は、入院期間を短くできる一方で、すべての方に適しているわけではありません。
持病、年齢、全身状態、手術内容、術後のサポート体制などを確認したうえで、安全に行えるかどうかを判断します。
必要に応じて、連携医療機関での入院をおすすめする場合もあります。


■手術後の経過とケア

手術後は、鼻の中に止血や傷の保護のための詰め物を入れます。
そのため、手術直後から数日は鼻づまりを感じやすくなります。
術後13日目に一部の詰め物を取り除くと、少しずつ鼻で呼吸しやすくなります。
ただし、手術後しばらくは鼻の粘膜が腫れているため、すぐに完全にすっきりするわけではありません。多くの場合、1週間程度で徐々に鼻の通りが改善していきます。
術後は鼻洗浄がとても大切です。
鼻の中のかさぶたや分泌物を洗い流し、傷を清潔に保つことで、回復を助けます。
また、鼻の入り口を乾燥させないように保湿を行うこともあります。
術後の処置や鼻洗浄の方法については、診察時に具体的に説明します。


手術のリスクと合併症

鼻の手術は安全に行えるよう十分に配慮しますが、手術である以上、合併症の可能性はゼロではありません。

【出血】

手術後に少量の出血がみられることがあります。

多くは自然に少なくなっていきますが、出血が続く場合には外来で止血処置を行うことがあります。術後しばらくは、強く鼻をかむこと、激しい運動、飲酒、長時間の入浴などは避けていただきます。

【痛み】

手術後に痛みを感じることがありますが、痛み止めを使用しながらコントロールします。

痛みの程度には個人差がありますが、強い痛みが続く場合には早めにご相談ください。

【発熱】

手術後12日程度、軽い発熱がみられることがあります。

高熱が続く場合や、強い痛み、悪臭のある鼻水などを伴う場合には、感染の可能性もあるため診察が必要です。

【鼻づまり】

手術直後は、詰め物や粘膜の腫れにより一時的に鼻づまりが強くなります。

術後の処置や鼻洗浄を続けることで、徐々に改善していきます。

【鼻中隔穿孔】

鼻中隔の粘膜に穴があくことを鼻中隔穿孔といいます。

弯曲が非常に強い場合や、骨や軟骨がトゲのように突出している場合にはリスクが高くなります。必要に応じて粘膜を保護しながら手術を行います。

【鼻中隔血腫】

鼻中隔の中に血液がたまる状態です。

まれな合併症ですが、術後に強い鼻づまりや痛みがある場合には処置が必要になることがあります。

【鼻の形の変化】

1%未満の頻度で生じる可能性があります。

鼻中隔の手術では、鼻を支える構造を保つことが重要です。

手術では鼻の支持組織をできるだけ温存し、鼻の形が変わらないよう注意して行います。

【鼻の乾燥感】

下鼻甲介の手術では、粘膜を大きく取りすぎると乾燥感や違和感の原因になることがあります。当院では、鼻の粘膜機能をできるだけ保つ方法を選択し、乾燥感を少なくするよう配慮しています。

■手術時間の目安

手術時間は、病気の状態や手術の組み合わせによって異なります。

鼻中隔矯正術、下鼻甲介手術、後鼻神経切断術を組み合わせる場合は、おおよそ1時間半前後が目安です。

慢性副鼻腔炎や鼻茸に対する内視鏡下副鼻腔手術を行う場合は、副鼻腔炎の範囲によって手術時間が変わります。

詳しい手術時間については、CT検査や内視鏡検査の結果を確認したうえでご説明します。


■手術費用について

鼻づまりに対する手術は、保険診療で行います。

実際の費用は、手術内容、麻酔方法、片側か両側か、組み合わせる手術の種類によって異なります。

また、手術を行う場合には高額療養費制度を利用できることがあります。

自己負担額は年齢や所得区分によって異なりますので、詳しくは診察時にご相談ください。


■額療養費制度について

高額療養費制度とは、1か月に医療機関や薬局の窓口で支払った医療費が一定の上限額を超えた場合に、その超えた分が支給される制度です。

手術を受ける場合、多くの方がこの制度の対象になります。

マイナンバーカードの健康保険証利用、または限度額適用認定証を利用することで、窓口での支払いを自己負担上限額までに抑えられる場合があります。

鼻づまりでお困りの方へ
鼻づまりの原因は人によって異なります。 薬で改善しやすい鼻づまりもあれば、鼻の構造やポリープが原因となっており、 手術でなければ十分に改善しにくい鼻づまりもあります。 「長年、鼻づまりが続いている」 「薬を使ってもすっきりしない」 「市販の点鼻薬が手放せない」 「片側だけいつも鼻がつまる」 「鼻づまりで眠りが浅い」 このような症状がある方は、一度ご相談ください。 検査で原因を確認し、薬による治療から日帰り手術まで、 患者さんに合った治療方法をご提案します。

鼻中隔弯曲症

鼻中隔弯曲症とは

中隔弯曲症とは、鼻の中を左右に分けている「鼻中隔」という仕切りが、大きく曲がっている状態です。

成人では、多くの方で鼻中隔が多少左右どちらかに曲がっています。

軽い曲がりであれば問題になることはありません。

しかし、曲がりが強くなると、鼻の空気の通り道が狭くなり、鼻づまりの原因になります。

片側だけがいつもつまる、左右どちらも通りにくい、寝ていると鼻づまりが強くなる、薬を使っても改善しにくいといった症状がある場合には、鼻中隔弯曲症が関係していることがあります。

鼻中隔弯曲症の原因

鼻中隔は、鼻中隔軟骨、鋤骨、篩骨正中板という軟骨や骨でできています。

成長の過程で、軟骨と骨の発育のバランスが崩れると、鼻中隔が少しずつ曲がっていきます。

特に思春期にかけて鼻の成長が進むため、10歳頃から曲がりが目立ち始め、女性では13〜15歳頃、男性では15〜18歳頃に弯曲がはっきりしてくることがあります。

また、幼少期に鼻をぶつけたことや、外傷が原因で鼻中隔が曲がることもあります。

外から見た鼻の曲がりを伴っている場合には、鼻の骨や軟骨が変形したまま治っていることもあります。

鼻中隔の曲がり方は人によってさまざまで、前方で曲がっている方、奥で曲がっている方、S字状に曲がっている方、骨がトゲのように突出している方もいます

鼻中隔弯曲症で起こる症状

鼻中隔弯曲症では、主に鼻づまりが起こります。

特に次のような症状がある場合には、鼻中隔弯曲症が関係している可能性があります。

  • 片側の鼻がいつもつまる
  • 左右交互に鼻がつまる
  • 両側の鼻が通りにくい
  • 寝ていると鼻づまりが強くなる
  • 口呼吸になりやすい
  • いびきを指摘される
  • 薬を使っても鼻づまりが改善しにくい
  • 鼻炎や副鼻腔炎を繰り返す

鼻中隔が曲がっていると、鼻の中の空気の流れが乱れ、周囲の粘膜が腫れやすくなることがあります。

そのため、アレルギー性鼻炎や肥厚性鼻炎、慢性副鼻腔炎を伴うと、鼻づまりがさらに強くなります。

鼻中隔弯曲症の検査

鼻中隔弯曲症では、鼻中隔の曲がり方だけでなく、鼻の粘膜の腫れ、副鼻腔炎、鼻茸、アレルギー性鼻炎などを一緒に確認することが大切です。

視診・前鼻鏡検査

鼻鏡という器具で鼻の入口を広げ、鼻中隔の曲がりを直接確認します。

特に鼻の前方で強く曲がっている場合には、この検査で曲がりの程度が分かることがあります。

外から見た鼻の曲がりがある場合には、外鼻の形も確認します。

鼻内視鏡検査

細い内視鏡を鼻の中に入れて、鼻腔内を詳しく観察します。

鼻中隔の曲がり方、下鼻甲介の腫れ、鼻茸の有無、鼻水の状態、副鼻腔炎を疑う所見がないかを確認します。鼻の奥の曲がりや、前鼻鏡では見えにくい部分を評価するために重要な検査です。

鼻腔通気度検査

鼻の空気の通りにくさを客観的に調べる検査です。

左右それぞれの鼻の抵抗や、両側で呼吸したときの空気抵抗を測定します。

手術前の評価だけでなく、手術後に鼻づまりがどの程度改善したかを確認する際にも役立ちます。

CT検査

CT検査では、鼻中隔の曲がり方や骨の形、副鼻腔炎の有無を詳しく確認できます。

鼻中隔の奥の曲がり、骨の突出、下鼻甲介の肥厚、中鼻甲介蜂巣、副鼻腔の粘膜の腫れなども評価できます。手術を検討する場合には、どの部分をどのように治療するかを判断するために重要な検査です。

鼻中隔弯曲症の治療

■薬による治療

鼻中隔そのものの曲がりは、薬で治すことはできません。
ただし、鼻中隔の曲がりに加えて、アレルギー性鼻炎や粘膜の腫れがある場合には、薬によって鼻づまりが軽くなることがあります。
抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬、鼻噴霧用ステロイド薬、鼻洗浄などを組み合わせて治療します。
軽い鼻づまりであれば、薬物治療や鼻洗浄で症状をコントロールできる場合もあります。
一方で、鼻中隔の曲がりが強い場合には、薬を使っても十分に改善しないことがあります。

手術による治療

薬による治療を行っても鼻づまりが改善しない場合や、日常生活に支障がある場合には、手術を検討します。
鼻中隔弯曲症に対する手術は、鼻中隔矯正術、または内視鏡下鼻中隔手術と呼ばれます。
内視鏡を用いて鼻の中から操作を行い、曲がっている軟骨や骨を整えることで、鼻の空気の通り道を広げます。
顔の表面に傷がつくことはありません。
鼻中隔の曲がり方は人によって異なるため、曲がっている場所や程度に応じて手術方法を選択します。
前方で曲がっている場合、奥で骨が突出している場合、S字状に曲がっている場合など、それぞれに適した方法で鼻の通りを改善します。

他の手術を組み合わせる場合

鼻中隔弯曲症の方では、下鼻甲介が腫れていることもよくあります。

これは、鼻中隔が曲がっている反対側の空間が広くなることで、下鼻甲介が代償的に大きくなるためです。

そのため、鼻中隔矯正術だけでなく、下鼻甲介手術を同時に行うことで、より鼻の通りが改善しやすくなる場合があります。

また、アレルギー性鼻炎が強い方では、後鼻神経切断術を組み合わせることがあります。

慢性副鼻腔炎を伴っている場合には、内視鏡下副鼻腔手術を同時に行うこともあります。

鼻づまりの原因が鼻中隔だけなのか、粘膜の腫れや副鼻腔炎も関係しているのかを確認したうえで、必要な手術を組み合わせて治療します。

鼻中隔弯曲症でお困りの方へ
鼻中隔が曲がっていても、症状がなければ治療の必要はありません。 しかし、鼻づまりが強い、薬を使っても改善しない、睡眠や仕事に影響している場合には、治療を検討する価値があります。 「片側だけ鼻がつまる」 「昔から鼻の通りが悪い」 「鼻炎の薬を使っても鼻づまりが残る」 「寝ていると口呼吸になる」 「鼻づまりで眠りが浅い」 「鼻の曲がりを指摘されたことがある」 このような症状がある方は、一度ご相談ください。 内視鏡検査やCT検査で鼻の中の状態を確認し、薬による治療でよいのか、手術が適しているのかを判断します。

慢性副鼻腔炎

慢性副鼻腔炎とは

副鼻腔炎とは、鼻の周りにある空洞である「副鼻腔」に炎症が起こる病気です。

副鼻腔は、頬の奥、おでこの奥、目と目の間、鼻の奥にあり、上顎洞、前頭洞、篩骨洞、蝶形骨洞に分かれています。

ウイルスや細菌感染、アレルギー、鼻の構造、体質などが関係して副鼻腔の粘膜が腫れると、副鼻腔の換気が悪くなります。

その結果、副鼻腔の中に膿や粘り気のある鼻水がたまり、鼻づまり、鼻水、後鼻漏、頭痛、顔の重さ、嗅覚障害などの症状が起こります。

症状が1か月以内に改善するものを急性副鼻腔炎、3か月以上続くものを慢性副鼻腔炎と呼びます。

慢性副鼻腔炎には、鼻茸が目立つタイプ、膿がたまりやすいタイプ、喘息を合併しやすい好酸球性副鼻腔炎など、いくつかのタイプがあります。

このような症状はありませんか?

  • 鼻水、鼻づまりがなかなか治らない
  • 黄色い鼻水が出る
  • 鼻水がのどに流れる
  • 痰がからむ、咳が続く
  • においが分かりにくい
  • 頭痛や顔の重さがある
  • 頬や目の周りが重い
  • 飛行機や気圧の変化で頭痛がする
  • 薬を飲んでも副鼻腔炎を繰り返す

このような症状が続く場合、慢性副鼻腔炎の可能性があります。

特に、においが分かりにくい、鼻茸がある、喘息がある場合には、好酸球性副鼻腔炎という難治性の副鼻腔炎が関係していることがあります。

慢性副鼻腔炎の検査と診断

慢性副鼻腔炎では、症状だけでなく、鼻の中の状態や副鼻腔の炎症の広がりを確認することが大切です。
当院では、必要に応じて以下の検査を組み合わせて診断します。

問診

どのような症状があるか、いつから続いているか、どの症状が一番つらいかを確認します。

鼻づまり、鼻水、後鼻漏、頭痛、嗅覚障害の程度に加えて、喘息やアレルギー性鼻炎の有無、これまでの治療歴も伺います。

鼻内視鏡検査

細い内視鏡を鼻の中に入れて、鼻腔内を詳しく観察します。

膿のような鼻水が出ていないか、鼻茸があるか、鼻中隔の曲がりや粘膜の腫れがないかを確認します。

内視鏡検査では、通常の診察では見えにくい鼻の奥まで確認できます。

副鼻腔CT検査

CT検査では、副鼻腔の中に膿がたまっていないか、粘膜が腫れていないか、鼻茸がどこまで広がっているかを確認します。

内視鏡では見えない副鼻腔の奥の状態を評価できるため、慢性副鼻腔炎の診断にとても重要な検査です。

手術を検討する場合にも、CTで副鼻腔の構造を詳しく確認します。

嗅覚検査

慢性副鼻腔炎では、においが分かりにくくなることがあります。

特に好酸球性副鼻腔炎では嗅覚障害を伴いやすいため、必要に応じて嗅覚検査を行います。

鼻腔通気度検査

鼻の空気の通りにくさを客観的に調べる検査です。

鼻づまりの程度を数値で評価できるため、治療前後の変化を確認する際にも役立ちます。

血液検査

血液中の好酸球の割合や、アレルギー性鼻炎の合併がないかを確認します。

好酸球が高い場合には、好酸球性副鼻腔炎や喘息との関連を考える必要があります。

組織検査

鼻茸や病変の一部を採取し、顕微鏡で調べる検査です。

好酸球性副鼻腔炎が疑われる場合には、組織の中に好酸球がどの程度集まっているかを確認します。

下気道の検査

慢性副鼻腔炎、特に好酸球性副鼻腔炎では、喘息を合併することがあります。

咳が続く、息苦しい、喘息を指摘されたことがある方では、呼吸機能検査や呼気NO検査などで下気道の状態を調べることがあります。

慢性副鼻腔炎の治療

慢性副鼻腔炎の治療は、病気のタイプや重症度によって異なります。
薬物療法、鼻洗浄、手術療法、生物学的製剤などを組み合わせて治療します。

■鼻洗浄

鼻洗浄は、副鼻腔炎治療の基本となるケアです。
鼻の中にたまった鼻水、膿、かさぶた、アレルゲンなどを洗い流すことで、鼻の中を清潔に保ちます。特に手術後は、開放された副鼻腔をきれいに保つために鼻洗浄が重要です。
薬の効果を高め、炎症を抑えやすくすることにもつながります。

薬物療法

慢性副鼻腔炎では、粘膜の機能を回復させる目的で、マクロライド系抗菌薬や去痰薬を一定期間内服することがあります。アレルギー性鼻炎を合併している場合には、鼻噴霧用ステロイド薬や抗ヒスタミン薬を併用します。急に症状が悪化した場合には、短期間の抗菌薬やステロイド薬を使用することもあります。ただし、近年増えている好酸球性副鼻腔炎では、従来のマクロライド療法が十分に効きにくいことがあります。

その場合は、手術療法や術後の炎症コントロール、生物学的製剤などを含めて治療を考えます。

■手術療法

薬物療法や鼻洗浄を行っても症状が改善しない場合、

鼻茸が大きい場合、副鼻腔の出口がふさがっている場合には、手術を検討します。

現在の副鼻腔炎手術は、内視鏡を用いて鼻の穴から行う「内視鏡下鼻副鼻腔手術」が一般的です。

以前のように歯ぐきや顔を切開する手術ではなく、鼻の中から副鼻腔を開放するため、体への負担を抑えた手術が可能です。

手術では、鼻茸や病的な粘膜を取り除き、副鼻腔の換気を改善します。

副鼻腔を広く開放することで、鼻洗浄や点鼻薬が奥まで届きやすくなり、炎症をコントロールしやすい状態を作ります。鼻中隔弯曲症や肥厚性鼻炎を伴う場合には、鼻中隔手術や下鼻甲介手術を同時に行うこともあります。

詳しく知りたい方は慢性副鼻腔炎・嗅覚障害に対する日帰り手術についてのコンテンツもご覧ください。▶こちらから

生物学的製剤

鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎で、手術後に再発した場合や、手術が難しい場合には、生物学的製剤が選択肢になることがあります。

代表的な薬剤として、デュピクセントという注射薬があります。

主に好酸球性副鼻腔炎など、炎症が強く再発しやすいタイプの副鼻腔炎で検討されます。

使用できる条件があるため、検査結果やこれまでの治療経過を確認したうえで判断します。

治療後の通院とケア

慢性副鼻腔炎は、治療して終わりではなく、炎症をコントロールしていくことが大切です。
手術後も、鼻洗浄、点鼻薬、内服薬、外来での処置を続けながら、鼻の中の状態を整えていきます。
通常の慢性副鼻腔炎では一定期間の経過観察を行い、好酸球性副鼻腔炎では再発しやすいため、より長期的なケアが必要になることがあります。
好酸球性副鼻腔炎について詳しく知りたい方はこちらのコンテンツもご覧ください。

慢性副鼻腔炎でお困りの方へ
慢性副鼻腔炎は、鼻水や鼻づまりだけでなく、後鼻漏、咳、頭痛、嗅覚障害など、さまざまな症状を引き起こします。 症状が長く続く場合や、薬を飲んでも繰り返す場合には、 原因を詳しく調べることが大切です。 「鼻水や鼻づまりがずっと続く」 「黄色い鼻水が出る」 「鼻水がのどに流れて咳が出る」 「においが分かりにくい」 「副鼻腔炎を何度も繰り返す」 「喘息があり、副鼻腔炎も悪化しやすい」 このような症状がある方は、一度ご相談ください。 内視鏡検査やCT検査で副鼻腔の状態を確認し、薬物療法、鼻洗浄、手術療法、生物学的製剤などから、患者さんに合った治療をご提案します。

好酸球性副鼻腔炎

好酸球性副鼻腔炎とは

好酸球性副鼻腔炎は、慢性副鼻腔炎の一種です。

白血球の一種である「好酸球」が鼻や副鼻腔の粘膜に多く集まり、強い炎症を起こすことが特徴です。

通常の副鼻腔炎では、細菌感染や膿が中心となることが多いですが、好酸球性副鼻腔炎ではアレルギーに近い炎症が関係します。

鼻の中に鼻茸と呼ばれるポリープができやすく、鼻づまりや嗅覚障害を起こしやすい難治性の副鼻腔炎です。

近年、好酸球性副鼻腔炎は増加しており、2015年には厚生労働省の指定難病に認定されました。

このような症状はありませんか?

  • においが分かりにくい、または全く分からない
  • 鼻づまりが長く続いている
  • 花粉症の時期が終わっても鼻づまりが治らない
  • 鼻水がのどに流れて、咳が出る
  • 粘り気の強い鼻水が出る
  • 鼻茸があると言われた
  • 喘息がある
  • 痛み止めを飲んで喘息発作が出たことがある
  • 何度も副鼻腔炎を繰り返す

このような症状がある場合、好酸球性副鼻腔炎の可能性があります。

特に、嗅覚障害、鼻茸、喘息を伴う場合には、通常の慢性副鼻腔炎とは異なる治療が必要になることがあります。

好酸球性副鼻腔炎の症状

好酸球性副鼻腔炎では、鼻づまり、粘り気の強い鼻水、後鼻漏、咳、頭痛、顔の重さなどがみられます。
中でも特徴的なのが、嗅覚障害です。
においを感じる嗅裂という場所に炎症や鼻茸が起こりやすいため、においが分かりにくくなります。症状が強い方では、においがほとんど分からなくなることもあります。また、好酸球性副鼻腔炎は喘息を合併しやすい病気です。
鼻の症状が数年続いたあとに喘息を発症する方もいます。咳が長引く、息苦しい、喘息を指摘されたことがある方では、鼻と気管支の両方を確認することが大切です。

好酸球性副鼻腔炎の原因

好酸球性副鼻腔炎の原因は、まだ完全には分かっていません。
ただし、アレルギー体質や喘息、環境因子などが関係し、免疫反応が過剰に働くことで、好酸球が鼻や副鼻腔の粘膜に集まると考えられています。
好酸球による炎症が続くと、鼻の粘膜が腫れ、鼻茸が形成されます。
また、粘り気の強い分泌物がたまり、副鼻腔の換気が悪くなることで、鼻づまりや嗅覚障害が長引きます。
一般的な抗菌薬が効きにくいこともあり、通常の慢性副鼻腔炎とは治療方針が異なります。

好酸球性副鼻腔炎の検査と診断

好酸球性副鼻腔炎の診断では、症状、内視鏡所見、CT検査、血液検査、組織検査などを組み合わせて評価します。

問診

鼻づまり、鼻水、後鼻漏、嗅覚障害、咳、頭痛などの症状を確認します。

いつから症状があるか、どの症状が一番つらいか、喘息やアレルギー性鼻炎があるか、痛み止めで喘息発作が出たことがあるかなども伺います。

鼻内視鏡検査

細い内視鏡で鼻の中を観察します。

鼻茸の有無、粘膜の腫れ、粘り気の強い鼻水、嗅裂への空気の通り道などを確認します。

副鼻腔CT検査

CT検査では、副鼻腔の炎症の広がりを確認します。

好酸球性副鼻腔炎では、両側の副鼻腔に炎症があり、特に篩骨洞という目と目の間の副鼻腔に強い炎症がみられることがあります。

嗅覚検査

においが分かりにくい場合には、嗅覚検査を行います。

嗅覚障害の程度を確認し、治療前後の変化を評価します。

血液検査

血液中の好酸球の割合や、アレルギーの有無を確認します。

好酸球の値は、診断や重症度の判断に役立ちます。

組織検査

鼻茸や病変の一部を採取し、顕微鏡で調べます。

組織の中に好酸球が多く集まっているかを確認することで、好酸球性副鼻腔炎の診断に役立ちます。

下気道の検査

好酸球性副鼻腔炎は喘息を合併しやすいため、咳や息苦しさがある場合には、呼吸機能検査や呼気NO検査などを行うことがあります。

鼻と気管支はつながっているため、鼻だけでなく下気道の状態もあわせて確認することが重要です。

厚生労働省の指定難病について

好酸球性副鼻腔炎は、厚生労働省の指定難病です。
一定の条件を満たして認定されると、医療費助成の対象となる場合があります。
認定には、症状の重症度、手術歴、組織中の好酸球数などが関係します。
申請には、難病指定医が作成する書類が必要です。
すべての好酸球性副鼻腔炎の方が助成対象になるわけではありませんが、中等症以上で治療が長期にわたる場合には、制度の利用を検討します。
当院では対象となる症例には難病申請を行っております。

好酸球性副鼻腔炎の治療

好酸球性副鼻腔炎の治療には、薬物療法、手術療法、生物学的製剤があります。

病状や再発のしやすさ、喘息の有無などに応じて組み合わせて治療します。

薬物療法

治療の基本は、鼻噴霧用ステロイド薬と鼻洗浄です。

鼻の中を清潔に保ち、炎症を抑えることで、症状の安定を目指します。

症状が強い場合には、短期間だけ経口ステロイド薬を使用することがあります。

経口ステロイド薬は効果が出やすい一方で、副作用の問題があるため、長期間の使用は慎重に判断します。一般的な慢性副鼻腔炎で使用されるマクロライド系抗菌薬は、好酸球性副鼻腔炎では効果が十分でないことがあります。

喘息を合併している方では、吸入ステロイド薬を口から吸って鼻から出す「経鼻呼出療法」を行うことがあります。

特に手術後は、副鼻腔の奥まで薬が届きやすくなるため、炎症のコントロールに役立つ場合があります。

■手術療法

茸が大きい場合、嗅覚障害が強い場合、薬物療法だけでは症状が改善しない場合には、内視鏡下鼻副鼻腔手術を検討します。

手術では、鼻茸や炎症を起こした粘膜を取り除き、副鼻腔の出入り口を広げます。

小さな部屋に分かれている副鼻腔を、ひとつの大きな空間に整えることで、換気と排液を改善します。手術の目的は、鼻づまりや嗅覚障害を改善するだけではありません。

術後に鼻洗浄や点鼻薬、吸入ステロイド薬が副鼻腔の奥まで届きやすい状態を作り、再発を抑えやすくすることも大切な目的です。

ただし、好酸球性副鼻腔炎は再発しやすい病気です。

手術後も、鼻洗浄、点鼻薬、外来での処置、必要に応じた薬物治療を継続することが重要です。

生物学的製剤

手術後に鼻茸が再発した場合や、ほかの病気などで手術が難しい場合には、生物学的製剤が選択肢になります。現在日本で使用できる薬剤に、デュピクセントや、ヌーカラ、エキシデンサー、テゼスパイアがあります。

これらの薬剤は、好酸球性炎症に関わるIL-4IL-5IL-13TSLPなどのサイトカインの働きを抑えることで、鼻茸を小さくし、鼻づまりや嗅覚障害の改善を目指す注射薬です。

2週間または4週間に1回の注射で治療を行います。

条件を満たせば、指導を受けたうえでご自宅で自己注射できる場合もあります。

生物学的製剤は、重症の喘息やアトピー性皮膚炎にも使用される薬であり、鼻と気管支の炎症をまとめてコントロールできる可能性があります。

当院では適応となる方に生物学的製剤の導入や継続を行っております。

手術後のケア

好酸球性副鼻腔炎では、手術後のケアがとても重要です。
手術によって副鼻腔を広く開放しても、その後の炎症を放置すると、鼻茸が再発することがあります。
再発を防ぐためには、毎日の鼻洗浄、点鼻薬、必要に応じた内服薬を継続することが大切です。鼻洗浄は、副鼻腔内の分泌物やかさぶたを洗い流し、粘膜を清潔に保つために行います。
術後は、外来で鼻の中を定期的に確認し、かさぶたや分泌物の処置を行います。
術後3か月から半年程度でCT検査を行い、手術の効果や再発の有無を確認することがあります。

術後の通院について

術後しばらくは、鼻の中の状態が変化しやすい時期です。
最初の1か月程度は、比較的短い間隔で通院していただきます。
その後は、鼻の状態に応じて1〜3か月ごとの定期通院を行います。
好酸球性副鼻腔炎は再発しやすいため、症状が落ち着いていても、少なくとも1年間は経過を確認することをおすすめします。
喘息を合併している方では、鼻の治療とあわせて喘息の治療を継続することも大切です。
においが分かりにくくなった、鼻づまりが悪化した、頭痛が増えた、咳が悪化した場合には、再発や炎症の悪化の可能性があるため、早めに受診してください。

好酸球性副鼻腔炎でお困りの方へ
好酸球性副鼻腔炎は、通常の副鼻腔炎よりも治りにくく、再発しやすい病気です。 しかし、適切に診断し、手術、薬物療法、生物学的製剤、術後ケアを組み合わせることで、症状をコントロールできるようになってきています。 「においが分からない」 「鼻茸があると言われた」 「粘り気の強い鼻水が続く」 「喘息があり、副鼻腔炎も悪くなりやすい」 「手術後にまた鼻茸が再発した」 「薬を飲んでも鼻づまりが改善しない」 このような症状がある方は、一度ご相談ください。 内視鏡検査、CT検査、血液検査、嗅覚検査などで病状を確認し、患者さんに合った治療方法をご提案します。

アレルギー性鼻炎・花粉症

アレルギー性鼻炎とは

アレルギー性鼻炎とは、花粉、ダニ、ハウスダスト、動物のフケ、カビなどのアレルゲンに対して、鼻の粘膜でアレルギー反応が起こる病気です。

主な症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりです。
目のかゆみ、のどの違和感、咳、頭痛、集中力の低下、睡眠の質の低下を伴うこともあります。
アレルギー性鼻炎には、花粉が飛ぶ時期に症状が出る「季節性アレルギー性鼻炎」と、一年を通して症状が続く「通年性アレルギー性鼻炎」があります。
季節性アレルギー性鼻炎は、一般的に「花粉症」と呼ばれます。
このような症状はありませんか?

  • 鼻づまりがひどく、夜中に目が覚める
  • 鼻水やくしゃみが止まらない
  • 鼻づまりや頭痛で仕事や勉強に集中できない
  • 目のかゆみや充血がある
  • のどがかゆい、咳が出る
  • 春や秋など、決まった季節に症状が悪くなる
  • 猫や犬のいる場所に行くと、くしゃみや鼻水が出る
  • 市販薬や点鼻薬を使ってもすっきりしない
アレルギー性鼻炎は、命に関わる病気ではないと思われがちですが、症状が強いと睡眠、集中力、仕事、勉強、日常生活に大きく影響します。特に鼻づまりが強い方では、夜間の睡眠が浅くなり、日中のだるさや集中力低下につながることがあります。

北海道の花粉症について

日本ではスギ花粉症がよく知られていますが、北海道では本州と花粉の状況が少し異なります。
北海道で重要な花粉症の原因は、シラカバやハンノキなどのカバノキ科の花粉です。
春先から初夏にかけて、鼻水、くしゃみ、鼻づまり、目のかゆみなどの症状が出る方では、シラカバやハンノキの花粉症が関係していることがあります。
一方で、北海道ではスギ花粉がまったくないわけではありません。
函館など道南の一部ではスギがみられ、札幌市内でも一部の地域ではスギ花粉の影響を受けることがあります。
そのため、北海道にお住まいの方でも、症状の時期によってはスギ花粉症を考える必要があります。
また、夏から秋にかけてはイネ科、ヨモギ、ブタクサなどの花粉が原因になることもあります。
「春だけつらい」「夏も鼻水が出る」「秋になると悪化する」など、症状の時期を確認することが診断の手がかりになります。

通年性アレルギー性鼻炎

一年中、鼻水、くしゃみ、鼻づまりが続く場合は、通年性アレルギー性鼻炎の可能性があります。
主な原因は、ダニ、ハウスダスト、カビ、犬や猫などの動物のフケです。
また、蛾やゴキブリなどの昆虫アレルゲンが関係することもあります。
通年性アレルギー性鼻炎では、症状が長く続くため、「いつも鼻がつまっている」「朝にくしゃみが多い」「薬をやめるとすぐ悪くなる」といった状態になりやすいです。

アレルギー性鼻炎の検査と診断

アレルギー性鼻炎の診断では、症状の内容、症状が出る時期、鼻の中の状態、原因となるアレルゲンを確認します。

問診

まず、どのような症状があるかを詳しく伺います。

くしゃみ、鼻水、鼻づまりの程度、症状が出る季節、生活への影響、薬の効果、眠気などの副作用、持病の有無などを確認します。

症状の時期はとても重要です。

春に悪い場合はシラカバ、ハンノキ、スギなど、夏から秋に悪い場合はイネ科、ヨモギ、ブタクサなどを考えます。

一年中症状がある場合は、ダニ、ハウスダスト、カビ、動物アレルギーなどを疑います。

鼻内視鏡検査

細い内視鏡を使って、鼻の中を観察します。

鼻の粘膜の腫れ、鼻水の性状、鼻中隔の曲がり、下鼻甲介の腫れ、鼻茸の有無などを確認します。

長引く花粉症だと思っていた方でも、実際には慢性副鼻腔炎や鼻茸が見つかることがあります。

副鼻腔CT検査

鼻づまりが強い場合、鼻中隔弯曲症、下鼻甲介の肥厚、副鼻腔炎、鼻茸などが隠れていることがあります。

CT検査では、内視鏡では見えにくい副鼻腔の状態を詳しく確認できます。

薬で改善しにくい鼻づまりがある方や、手術を検討する場合には重要な検査です。

血液検査

血液検査では、特異的IgE抗体を調べることで、どのアレルゲンに反応しているかを確認します。

検査項目には、スギ、シラカバ、ハンノキ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギ、ダニ、ハウスダスト、犬、猫、カビ、蛾、ゴキブリなどがあります。

症状の時期や生活環境に合わせて、必要な項目を選んで検査します。

鼻汁好酸球検査

鼻水の中に好酸球という細胞が増えているかを調べる検査です。

アレルギー性鼻炎の診断の参考になります。

嗅覚検査

アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎では、においが分かりにくくなることがあります。

嗅覚低下がある場合には、嗅覚検査を行い、においの状態を確認します。

鼻腔通気検査

鼻づまりの程度を客観的に評価する検査です。

左右それぞれの鼻の空気の通りにくさを測定します。

下気道の検査

アレルギー性鼻炎は、喘息と関係が深い病気です。

咳が続く、息苦しい、喘息を指摘されたことがある方では、呼吸機能検査や呼気NO検査などで下気道の状態を確認することがあります。

アレルギー性鼻炎の治療

アレルギー性鼻炎の治療は、症状の強さ、原因となるアレルゲン、生活への影響、鼻の構造によって選択します。

抗原の回避と環境整備

抗原の回避と環境整備

アレルギーの原因となるものを完全になくすことは難しいですが、接触を減らすことは大切です。

ダニやハウスダストが原因の場合は、寝具の洗濯、掃除、換気、湿度管理が重要です。

花粉症の場合は、花粉が多い時期にマスクや眼鏡を使用し、帰宅後は衣類についた花粉を落とすことが有効です。

北海道では、春のシラカバ・ハンノキ花粉、道南や札幌の一部ではスギ花粉、夏から秋のイネ科・ヨモギ・ブタクサ花粉にも注意が必要です。

薬物療法

アレルギー性鼻炎の基本となる治療です。

主に、抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬、鼻噴霧用ステロイド薬などを使用します。

抗ヒスタミン薬は、くしゃみや鼻水を抑える薬です。

現在は、眠気や口の渇きが少ない第二世代抗ヒスタミン薬がよく使われます。

鼻噴霧用ステロイド薬は、鼻の粘膜の炎症を抑える薬です。

鼻づまり、鼻水、くしゃみのいずれにも効果が期待できます。全身への影響が少なく、継続して使いやすい薬です。

花粉症では、症状が強くなってから薬を始めるよりも、花粉が飛び始める前、または症状が出始めた早い段階から治療を始めることで、重症化を防ぎやすくなります。

舌下免疫療法

舌下免疫療法は、アレルゲンを少量ずつ体に取り入れ、体を慣らしていく治療です。

スギ花粉症、ダニアレルギー性鼻炎が対象になります。

薬物療法で効果が不十分な方、薬の量を減らしたい方に選択肢となります。

効果を得るためには、3年以上の継続が必要です。

北海道ではシラカバ花粉症が多いですが、現時点で一般的に行われている舌下免疫療法はスギとダニが対象です。

シラカバやハンノキに対する舌下免疫療法は、通常診療では行われていません。

生物学的製剤

重症のスギ花粉症では、抗IgE抗体であるオマリズマブという注射薬が選択肢になることがあります。

抗ヒスタミン薬や鼻噴霧用ステロイド薬を使用しても症状が強い方が対象になります。

治療には条件があり、血液検査で総IgE値を確認し、体重などに応じて投与量を決定します。

手術療法

薬物療法を行っても鼻づまりが改善しない場合や、薬の副作用で治療を続けにくい場合には、手術を検討します。

アレルギー性鼻炎の手術では、主に鼻中隔矯正術、下鼻甲介手術、後鼻神経切断術を行います。

鼻中隔が大きく曲がっている場合には、鼻中隔矯正術で空気の通り道を整えます。

下鼻甲介が大きく腫れている場合には、下鼻甲介手術で粘膜の機能を残しながら大きさを調整します。

鼻水やくしゃみが強い場合には、後鼻神経切断術を行うことで症状の軽減を目指します。

手術はアレルギー体質そのものをなくす治療ではありません。

しかし、鼻づまり、鼻水、くしゃみを軽くし、薬を減らせる可能性があります。

詳しくは重症アレルギー性鼻炎に対する手術治療をご参照ください。

アレルギー性鼻炎・花粉症でお困りの方へ
アレルギー性鼻炎は、ありふれた病気ですが、症状が強いと生活の質を大きく下げます。 特に、鼻づまりで眠れない、仕事や勉強に集中できない、薬を飲んでも改善しない、市販の点鼻薬が手放せないという方は、原因を詳しく調べることが大切です。 当院では、問診、内視鏡検査、血液検査、CT検査などを組み合わせて、鼻炎の原因と鼻の構造を確認します。 薬物療法、鼻洗浄、舌下免疫療法、生物学的製剤、手術療法まで、症状や生活に合わせた治療をご提案します。