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耳鼻咽喉科
鼻と副鼻腔のクリニック 札幌
北海道札幌市東区北6条東3丁目1番地1
ダ・ヴィンチモール 3階
TEL:
011-214-0850

慢性副鼻腔炎・嗅覚障害に対する 日帰り手術

慢性副鼻腔炎、好酸球性副鼻腔炎に対する手術

慢性副鼻腔炎は、副鼻腔という鼻の周囲にある空洞に炎症が長く続く病気です。
副鼻腔炎が3か月以上続く場合、慢性副鼻腔炎と呼ばれます。
副鼻腔は、左右それぞれに前頭洞、篩骨洞、上顎洞、蝶形骨洞という空洞があります。炎症が続くと、鼻づまり、鼻水、後鼻漏、頭重感、嗅覚障害などの症状が起こります。
特に好酸球性副鼻腔炎では、鼻茸と呼ばれるポリープが鼻の中に広がりやすく、強い鼻づまりやにおいの低下を引き起こします。喘息をお持ちの方では、好酸球性副鼻腔炎が関係していることもあります。
薬物治療や鼻洗浄で改善する場合もありますが、数か月以上治療を続けても改善しない場合、鼻茸が大きい場合、嗅覚障害が続く場合には、手術による治療を検討します。

当院での日帰り手術について

当院では、慢性副鼻腔炎、好酸球性副鼻腔炎、嗅覚障害に対する日帰り手術を行っています。
手術は、北海道大学病院を中心に1000件以上の鼻副鼻腔手術に携わってきた院長が担当します。
鼻の中から内視鏡を用いて行うため、顔に傷が残ることはありません。
当院では、患者さんの痛みや不安をできるだけ軽減するため、全身麻酔で手術を行います。手術中は眠っている状態のため、痛みや恐怖感はありません。全身麻酔中は患者さんの体の動きが少なくなるため、鼻の奥の細かな構造に対して、より精密な操作を行いやすくなります。
また、クリニックでは導入施設が限られる手術用ナビゲーションシステムを使用しています。
車のナビゲーションが現在地を示すように、手術中に器械の先端が副鼻腔のどこにあるかをリアルタイムで確認できます。

副鼻腔は眼や脳に近い複雑な構造をしているため、安全に手術を進めるうえで重要なシステムです。

内視鏡下鼻副鼻腔手術

慢性副鼻腔炎や好酸球性副鼻腔炎に対して行う代表的な手術が、内視鏡下鼻副鼻腔手術です。

副鼻腔の中にたまった分泌物、炎症を起こした粘膜、鼻茸などを取り除き、副鼻腔の換気を改善します。

小さな部屋に分かれている副鼻腔を、空気や薬が届きやすい大きな空間に整えることで、炎症が起こりにくい状態を目指します。

内視鏡下鼻副鼻腔手術は、開放する副鼻腔の範囲によってⅠ型からⅤ型に分類されます。

Ⅰ型:副鼻腔自然口開窓術

Ⅱ型:副鼻腔単洞手術

Ⅲ型:選択的副鼻腔手術

Ⅳ型:汎副鼻腔手術

Ⅴ型:拡大副鼻腔手術

当院では、主に内視鏡下鼻副鼻腔手術Ⅰ型からⅣ型までの手術を行っています。

手術範囲は、CT検査や内視鏡検査で副鼻腔炎の広がりを確認したうえで決定します。

鼻中隔手術・鼻腔手術を同時に行う場合

慢性副鼻腔炎の方では、鼻中隔弯曲症や肥厚性鼻炎を伴っていることがあります。

鼻中隔が強く曲がっている場合や、下鼻甲介が大きく腫れている場合には、副鼻腔の換気が十分に改善しにくいことがあります。

そのため、必要に応じて内視鏡下鼻中隔手術や内視鏡下鼻腔手術を同時に行います。鼻の空気の通り道を整えることで、鼻づまりの改善だけでなく、術後の鼻洗浄や点鼻薬が副鼻腔まで届きやすくなることが期待できます。


当院での手術の工夫

●再発を減らす工夫

慢性副鼻腔炎の手術では、単に鼻茸を取るだけでなく、副鼻腔の換気をしっかり改善することが大切です。

当院では、副鼻腔の出入り口をできるだけ十分に広げる術式を採用しています。

特に前頭洞は、出入り口が狭く、術後に再発しやすい部位です。斜めを見ることができる内視鏡やナビゲーションシステムを用いて、前頭洞の位置や周囲の構造を確認しながら、安全に配慮して開放します。

副鼻腔の換気を改善し、術後の鼻洗浄や点鼻薬が奥まで届きやすい状態を作ることで、再発を減らすことを目指します。


●嗅覚を改善させる工夫

好酸球性副鼻腔炎では、鼻茸が鼻の中に広がることで、においを感じる嗅粘膜まで空気が届きにくくなります。

当院では、鼻中隔と中鼻甲介の間にある鼻茸を丁寧に取り除き、嗅裂と呼ばれるにおいの通り道に空気が届きやすくなるように手術を行います。

嗅覚障害の改善には個人差がありますが、空気の通り道を整え、術後の薬物治療を続けることで、嗅覚の改善が期待できる場合があります。


●術後の出血と痛みを減らす工夫

手術後は、止血と傷の保護のために鼻の中に詰め物を入れます。

従来のガーゼによるパッキングでは、ガーゼが鼻の中の傷にくっつき、抜くときに強い痛みや出血を起こすことがありました。

当院では、基本的にガーゼによるパッキングは行わず、プラスモイスト、NOVApak、NEXpackなどのパッキング材を使用します。

これらは鼻洗浄によってゼリー状に変化し、傷を湿った状態で保護します。鼻の中の傷を乾燥させずに治す「モイストヒーリング」により、出血や痛みをできるだけ減らし、術後の回復を助けます。

手術後の経過とケア

手術後1〜2日目に、鼻の中に入れた詰め物の一部を取り除きます。

手術直後は鼻づまりを強く感じますが、詰め物を一部抜去すると少しずつ鼻で呼吸しやすくなります。

その後は、ご自身で鼻洗浄を行っていただきます。

1回240mL程度の鼻洗浄を1日3回ほど行うことで、血液、分泌物、かさぶたを洗い流し、傷を清潔で湿った状態に保ちます。

術後しばらくは鼻の粘膜が腫れるため、鼻づまりが残ります。

多くの場合、1週間ほどで徐々に鼻の通りが改善していきます。

副鼻腔の粘膜が落ち着くまでには、数か月かかります。

その間は、鼻洗浄、外来での処置、点鼻薬や内服薬による治療を続けることが大切です。通常の慢性副鼻腔炎では術後1年程度、好酸球性副鼻腔炎ではより長期の経過観察が必要になることがあります。

手術のリスクと合併症

鼻副鼻腔の手術は安全に行えるよう十分に注意して行いますが、手術である以上、合併症の可能性はゼロではありません。

出血

手術後1〜2週間程度は、少量の出血や、鼻洗浄時に血が混ざった鼻水が出ることがあります。

多くの場合、出血は徐々に少なくなっていきます。

出血が多い場合や持続する場合には、外来で鼻の中に詰め物を追加したり、出血部位を凝固して止血したりすることがあります。

痛み

手術中は全身麻酔のため、痛みを感じることはありません。

術後の痛みについても、痛み止めを使用しながらできるだけ軽減します。

副鼻腔手術後の痛みは、強い痛みよりも、鼻の奥の重さや圧迫感として感じることがあります。手術日の夕方ごろに痛みのピークを感じることが多いです。

発熱

手術後1〜2日程度、37〜38度程度の発熱がみられることがあります。

これは手術後の反応として起こることがあります。ただし、40度近い高熱、強い痛み、悪臭のある鼻水、全身状態の悪化などがある場合には、感染の可能性もあるため早急な対応が必要です。

鼻づまり

手術後は、鼻の中に詰め物が入っていることや、粘膜の腫れによって一時的に鼻づまりが強くなります。

手術1〜2日後に詰め物の一部を抜去すると鼻で呼吸しやすくなりますが、1週間ほどはすっきりしないことがあります。

鼻洗浄と外来処置を続けることで、徐々に鼻の通りが改善していきます。

眼や頭蓋内の合併症

副鼻腔は眼や脳に近い場所にあります。

非常にまれですが、眼の周囲の出血、ものが二重に見える、視力低下、髄液漏、頭蓋内感染などの合併症が起こる可能性があります。当院では、CT画像やナビゲーションシステムを用いて、眼や頭蓋底との位置関係を確認しながら慎重に手術を行います。

癒着

手術後の傷が治る過程で、鼻の中の粘膜同士がくっつくことがあります。

癒着が起こると、鼻づまりや副鼻腔炎の再発の原因になることがあります。

術後の鼻洗浄、外来での処置、必要に応じた薬物治療を行うことで、癒着を予防します。

手術時間の目安

慢性副鼻腔炎、好酸球性副鼻腔炎に対する手術では、内視鏡下鼻副鼻腔手術に加えて、必要に応じて鼻中隔手術や下鼻甲介手術を組み合わせます。

手術時間は副鼻腔炎の範囲や鼻茸の程度によって異なりますが、両側の副鼻腔手術を行う場合は、おおよそ2時間前後が目安です。

詳しい手術時間は、CT検査や内視鏡検査の結果を確認したうえでご説明します。

手術費用について

慢性副鼻腔炎や好酸球性副鼻腔炎に対する手術は、保険診療で行います。
費用は、手術の範囲、片側か両側か、鼻中隔手術や鼻腔手術を同時に行うか、麻酔方法などによって異なります。
内視鏡下鼻中隔手術、両側内視鏡下鼻腔手術、両側内視鏡下鼻副鼻腔手術を組み合わせて行う場合、3割負担でおよそ22万円前後が目安です。
別途、麻酔料、薬剤料、処方箋料などがかかる場合があります。
実際の費用については、診察時に手術内容を確認したうえでご説明します。

■高額療養費制度について
高額療養費制度とは、1か月に医療機関や薬局の窓口で支払った医療費が、所得に応じた上限額を超えた場合に、その超えた分が支給される制度です。手術を受ける場合、多くの方が高額療養費制度の対象になります。
マイナンバーカードの健康保険証利用、または限度額適用認定証を利用することで、窓口での支払いを自己負担上限額までに抑えられる場合があります。詳しくは、診察時または受付でご相談ください。